A 日本史の教科書を開いたら,「古代の行政区画」として右のような図が載っていた。この地図には(a)畿内・七道諸国の国名などが記されていて,現在の都道府県の区画とは違うところもある。
地図を見ると,まず陸奥と出羽の大きさが目を引くが,この2国にはいくつもの【ア】が造られたように,律令国家による支配領域がしだいに広がっていったことと関係するようだ。一方,比較的小さな国がまとまっている地域もあり,例えば,播磨から長門までは八つの国がある。この地域には,全国的にも重要な道路である【イ】が整備されたように,古くから,近畿地方と九州や大陸とを結ぶ大動脈が通っていた。
また,この地図では現在の(b)沖縄県や北海道にあたる地域が除かれている。このことは,当時の政権によって,これらの地域が国家の領域として認識されていなかったことと関係があるようだ。そのような地域に住んでいた人々の生活や社会の仕組みを,もっと調べる必要があると感じた。
【地図1】
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
![]() 図-甲 |
![]() 図-乙 |
(1) a・c (2) a・d (3) b・c (4) b・d
【写真3】
Ⅰ 東北地方の蝦夷との戦争のなかで,北上川の上流に志波城を築いた。
Ⅱ 諸国に国分寺・国分尼寺の建立を命ずる詔が出された。
Ⅲ 官道(駅路)に沿って駅家を設けることが律令で定められた。
(1) Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (2) Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ (3) Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
(4) Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ (5) Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ (6) Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ
C 律令国家の支配下で多くの農民が貧窮する一方で,奈良時代末から平安時代初めにかけて,稲・穀をはじめとする大量の動産を所有する有力な農民が現れた。有力農民への富の集中と一般農民の窮乏化は,国家の税収が悪化する原因の一つとなり,やがて,(d)国家による地方支配の転換へとつながった。
次の図は,12世紀頃に成立した絵巻の一部で,修業僧が,ある長者(富豪)の倉に収められた米俵を念力で飛ばした場面を描いたものである。この図からは,立派な倉が,個人の富の象徴となっていたことがうかがえる。(e)新たに富を得た人々の活動が,貴族たちの関心を集めるとともに,都の文化も地方に広まって,中世の文化が形成された。
【図1】
X 人々の間に流行していた歌謡である今様が,後白河法皇により『梁塵秘抄』にまとめられた。
Y 本来は宮中の芸能であった田楽が,都から地方に伝わり,村の祭礼に取り入れられた。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
(1) 地頭は全国の公領のみに置かれた。
(2) 地頭の権限は,大犯三カ条とよばれた。
(3) 地頭の収益を保障するため,頼朝は新補率法を定めた。
(4) 地頭は,年貢徴収・納入や土地管理・治安維持に当たった。
X 源頼朝が将軍の地位を追われ,幽閉された。
Y 北条義時は,政所別当に加えて侍所別当を兼任した。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
a 田畑の等級・面積を調査し,年貢収入を確保するために定められた。
b 御家人同士や御家人と荘園領主などとの紛争解決のために定められた。
c 守護・地頭の任務・権限を規定するために定められた。
d 御家人所領の売買を禁止し,売却地を無償で取り戻させるために定められた。
(1) a・c (2) a・d (3) b・c (4) b・d
X 大友義鎮らは,少年使節をローマ教皇のもとに派遣した。
Y 来日した宣教師たちは,教会や神学校などをつくった。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
(1) 江戸城や城下の造営には,諸大名へ手伝いが命じられた。
(2) 明暦の大火では,多くの武家屋敷とともに江戸城も類焼した。
(3) 将軍家茂のもとで公武合体策を進めた老中が,城門の近くで襲撃された。
(4) 江戸城は,江戸を占領した新政府軍の総攻撃をうけて落城した。
(1) 地主・家持・地借・店借が,町の構成員として自治に参加した。
(2) 天保の飢饉に際し,江戸の町人地で,町奉行所の元与力が,貧民救済のために武装蜂起した。
(3) 江戸では,寛政期に飢饉や災害時の対策として町費の節約分の7割を積み立てるよう命じられた。
(4) 江戸全体の人口に占める町人の人口の割合は,9割を超えていた。
史料
凡織物を専業とする所にては,織人を抱えおきて織らするを利とする。縮においては別になき一国の名産なれども,織婦を抱えおきて織らする家なし。これいかんとなれば,縮を一端(反)になすまでに人の手を労する事かぞえ尽 しがたし。なかなか手間に賃銭を当て算量事にはあらず,雪中に籠居婦女等が手を空しくせざるのみの活業也 。(中略)縮を織る処のものは娶をえらぶにも縮の伎を第一とし,容儀は次とす。このゆえに親たるものは娘の幼きより此伎を手習するを第一とす。
((c)『北越雪譜』)
(1) この地域の名産である縮は,専門の織人を置いて生産した。
(2) 縮の生産は労力を多く必要とするので,賃銭を与えて織らせた。
(3) 縮の生産は,農業のできない冬期に女性が従事した。
(4) 親は娘に縮を織る技術よりも,読み書きを第一に学ばせた。
(1) 織物を生産する織屋の作業場が描かれている。
(2) 腰かけにすわり,足踏みして布を織る高機が使われている。
(3) 糸繰りから機織りの作業まで,分業体制がとられている。
(4) この作業場での生産のあり方は,問屋制家内工業とよばれている。
a 幕府は,風俗の乱れを取り締まるために,遊里を描いた洒落本作者の山東京伝を処罰した。
b 幕府は,天皇が幕府の許可を得ずに与えた紫衣を無効とし,これに抗議した僧を処罰した。
c 幕府は,湯島聖堂の学問所において,朱子学以外の学問を教えることを禁止した。
d 幕府は,歌舞伎が民衆に人気を博するにつれて,女性が演じることを禁止した。
(1) a・c (2) a・d (3) b・c (4) b・d
Ⅰ 日本初の社会主義政党が結成され,普通選挙の実現をかかげた。
Ⅱ 第二次護憲運動が展開された。
Ⅲ 選挙権の納税資格が直接国税3円以上に引き下げられた。
(1) Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (2) Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ (3) Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
(4) Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ (5) Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ (6) Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ
X 自由民権運動に活躍したが,大阪事件で逮捕・投獄された。
Y 無政府主義に傾倒し,関東大震災のときに甘粕正彦憲兵大尉らに殺害された。
a 景山(福田)英子 b 市川房枝 c 与謝野晶子 d 伊藤野枝
(1) X―a Y―c (2) X―a Y―d
(3) X―b Y―c (4) X―b Y―d
X 政府による思想弾圧は宗教にもおよび,キリスト教や国家神道が迫害をうけた。
Y 人民戦線事件で経済学者の大内兵衛らが検挙された。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
X 日本は,イギリスなど他の派兵国よりも長期にわたって介入を継続した。
Y この軍事介入の影響で,国内の米価が下落し,困窮した農民が全国で騒擾を起こした。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
Ⅰ 国策の手段としての戦争の放棄を約した不戦条約に調印した。
Ⅱ 補助艦の総保有量(トン数)を英・米の約7割とすることに合意した。
Ⅲ 主力艦保有量(トン数)を英・米の5分の3に制限することに合意した。
(1) Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (2) Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ (3) Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
(4) Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ (5) Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ (6) Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ
小作争議の件数と規模
(安藤良雄編『近代日本経済史要覧(第2版)』より作成)
X 普通選挙法が成立した前後の両年を比較すると,小作争議件数は増加をみせたが,その後は一時的に減少した。
Y 世界恐慌の影響が日本に波及した結果,困窮した農民による個々の争議が大規模化する傾向がみられた。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤
(1) 米・英との協調のため,南満州鉄道株式会社の解散を決定した。
(2) 中国国民革命軍の北伐に対抗して,山東半島に出兵した。
(3) 日ソ基本条約を締結し,ソ連との間に国交を樹立した。
(4) 東アジアの結束を誇示するため大東亜会議を開催した。
Ⅰ 日本軍が中国の都市南京を占領するに際して,捕虜や非戦闘員を殺害する事件が起きた。
Ⅱ 中国東北部での日本軍の活動に対して,国際連盟からリットン調査団が派遣された。
Ⅲ 関東軍参謀河本大作らが,中国軍閥の一人である張作霖を,奉天郊外において爆殺した。
(1) Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ (2) Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ (3) Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
(4) Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ (5) Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ (6) Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ
C 戦後,幣原は知米家としての経歴を買われ,内閣総理大臣に就任した。幣原内閣は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)のいわゆる五大改革指令の実現に取り組んだほか,新憲法草案の作成や天皇の神格を否定する詔書の草案作成にも携わるなど,(f)戦後改革の中心的な政策を次々と実施した内閣であったといえる。また,(g)終戦直後の物価上昇や食糧危機への対策にもつとめたが,1946年4月に実施された戦後初の総選挙において勝利することができず,総辞職した。幣原は,その後も衆議院議長などを歴任し,1951年3月に78歳で没した。(h)講和条約が調印される約半年前のことであった。
(1) GHQにより労働組合の結成が奨励され,労働条件改善を目的とする労働基準法が制定された。
(2) 特別高等警察の廃止や,共産党員などの政治犯の釈放が行われた。
(3) 経済機構の民主化の一環として,独占禁止法が制定された。
(4) GHQにより教育制度の自由主義的改革が指示され,修身教育が導入された。
X 降伏と同時に食糧の配給制度が全面的に廃止され,価格の統制も撤廃された。
Y 物価上昇を抑制するため,金融緊急措置令によって国民の預金が封鎖された。
(1) X 正 Y 正 (2) X 正 Y 誤
(3) X 誤 Y 正 (4) X 誤 Y 誤