アマルティア・セン


 アマルティア・セン
鈴村興太郎、後藤玲子
定価 3,080円(本体:2,800円)
仕様 A5判 318頁
ISBN 978-4-407-02812-6
発行日 2001年09月26日発行

アマルティア・センは、アジアで初めて、ノーベル経済学賞を受賞したインド人です。厚生経済学の内在的批判者であり、「開発経済学」の権威でもあります。彼の友人の鈴村教授によりセンの全貌が紹介されています。

●目次●プロローグ/厚生経済学と社会的選択の理論/不平等の経済学と倫理学/厚生主義・権利・自由/厚生経済学の新構想/潜在能力アプローチ/自由と発展のパースペクティブ/社会的選択理論の再構成/エピローグ

第1章 プロローグ:センのプロフィールと
本書の概要
 1 はじめに
 2 センのプロフィール
 3 厚生経済学とはなにか
 4 社会的選択の理論とはなにか
 5 センの経済学と倫理学:最初のスケッチ
第2章 厚生経済学と社会的選択の理論:正統派理論への貢献

 1 はじめに
 2 単純多数決ルールの理論的性能
 3 アローの一般不可能性定理
 4 社会的評価と社会的選択:社会的《合理性》条件の緩和
 5 基数性と個人間比較可能性
 6 部分的な比較可能性:不完備性の容認
 7 おわりに
 補論A 単純多数決ルールの整合性の必要十分条件
 補論B パーグソン=サミュエルソン社会的厚生関数の構成可能性

 

第3章 不平等の経済学と倫理学
 1 はじめに
 2 不平等測度における記述性と規範性
 3 センの共通部分アプローチ
 4 社会的厚生関数アプローチ
 5 ローレンツ部分順序と不平等の完備測度の構造
 6 道徳判断の基礎と構造
 7 おわりに
 
第4章 厚生主義・権利・自由:正統派理論への批判

 1 はじめに
 2 帰結的観点と非帰結的観点
 3 厚生主義的帰結主義のなにが問題か
 4 リベラル・パラドックス:センの第一批判
 5 代替的な自由主義的権利論
 6 合理的な愚か者:センの第二批判
 7 非帰結主義的アプローチの必要性と可能性
 8 おわりに

 

第5章 厚生経済学の新構想:方法論的枠組み

 1 はじめに
 2 序数主義・集計主義を超えて:個人の多様性
 3 厚生主義を超えて:価値の多元性
 4 整序的な目標=権利システム
 5 個人の選好と権利の私的交換
 6 権利の社会的選択
 7 事実的選好と倫理的な社会的選択ルール
 8 価値の整序化システムとその決定手続き
 9 自己利益最大化の仮定を超えて:行為の動機の重層性
 10 おわりに

 

第6章 潜在能力アプローチ:善と必要の理論
 1 はじめに
 2 《善》の理論と《潜在能力》アプローチ
 3 《効用》とロールズの《社会的基本財》
 4 財の《特性》とひとの《機能》
 5 《福祉的自由》と《潜在能力》
 6 市場と《潜在能力》:効率性概念の再検討
 7 《潜在能力》の平等:《達成》の平等と《不足》の平等
 8 不平等の再検討:《機能空間》における絶対性と《所得空間》における相対性
 9 おわりに
第7章 自由と発展のパースペクティブ

 1 はじめに
 2 《権源》アプローチ
 3 貧困研究の枠組み
 4 所得の貧困:《識別》と《集計》
 5 相対的不平等と貧困の測度
 6 市民的・政治的権利と貧困
 7 二つの《自由》概念の再検討
 8 福祉的自由と行為主体的自由
 9 自由の拡大プロセスとしての発展アプローチ
 10 市民的・政治的自由の権利
 11 経済的ニーズの概念化
 12 おわりに:文化と普遍性

 

第8章 社会的選択理論の再構成
 1 はじめに
 2 社会的選択理論の枠組み
 3 評価と客観性:民主主義の基礎
 4 合理主義的アプローチと進化論的アプローチ
 5 理性と社会的自我同一性
 6 権利の最定式化
 7 《福祉的自由》の権利の定式化:予備的考察
 8 福祉的自由の権利の社会的決定手続き
 9 潜在能力理論の再定式化
 10 おわりに
第9章 エピローグ
 1 はじめに
 2 自由と責任
 3 《潜在能力》の観念と個人の主体形成
 4 民主主義と個人の主体形成
 5 民主主義と不正義
 6 おわりに
参考文献
事項索引
人名索引