2008年度 センター試験【世界史A本試】解説
第1問
問1【ローマ帝国】 1
(1)誤文。
アケメネス朝ペルシアと戦ったのはギリシアやマケドニア。「前5世紀前半の
ペルシア戦争を中心となってたたかったアテネ」(教科書p.28)
(2)誤文。
アレクサンドロス大王により併合されたのは,ギリシアやアケメネス朝。「マケドニアの
アレクサンドロス大王は東方に遠征して,アケメネス朝を滅ぼし」(教科書p.29)
(3)誤文。
イスラーム教ではなくキリスト教。「キリスト教は,皇帝により迫害されたが,信者の増加はとまらず,ついに4世紀はじめには皇帝により公認され,392年にはローマ帝国の
国教とされた。」(教科書p.30)
(4)正文で正解。
「
アウグストゥスにより元首政(
帝政)に移行した(前27年)。」(教科書p.29)
問2【ビザンツ帝国を滅亡させた帝国】2
「
ビザンツ(東ローマ)帝国は,…。…。その後はイスラーム勢力の進出により領土を失ったが,1453年
オスマン帝国に滅ぼされるまで,キリスト教世界を防衛した。」(教科書p.35)で(3)が正解。
問3【ナチス=ドイツ】3
ナチス=ドイツの独裁体制は,
1933年に全権委任法が制定☆されてからであり,その崩壊は1945年である。
(1)誤文。
「
ロカルノ条約が
1925年に調印され,この結果,1926年にドイツが国際連盟に加盟した。」(教科書p.137)でナチス=ドイツ成立前の出来事。
(2)誤文。
「プロイセン首相
ビスマルク」(教科書p.95)の任が1862~90とあり,時期がナチス=ドイツ成立前。富国強兵に努める彼の姿勢は,「彼は,官僚や高級軍人を独占する土地貴族層(ユンカー)と新興の産業資本家層の利害を調整しつつ工業の発展につとめた。」(教科書p.95)とあり,この部分は正しい。
(3)誤文。
「
キール軍港の
水兵の反乱から,
1918年11月にドイツ革命がおこり,」(教科書p.133)1でナチス=ドイツ成立前の出来事。
(4)正文で正解。
「
1937年11月には
日独伊防共協定が成立した。」(教科書p.152)
問4【始皇帝の業績】4
(1)誤文。
班超を西域に派遣したのは前漢の武帝
(2)正文で正解。
「秦の王の政は,前221年に全国を平定した。彼は,王号をやめて皇帝を称し(
始皇帝),」(教科書p.10)
(3)誤文。
秦ではなく清。「清朝は
李自成をやぶり,北京を都とし,」(教科書p.64)
(4)誤文。
秦ではなく魏。教科書p.12の下の表に「3世紀 魏の明帝 倭の
卑弥呼を親魏倭王に冊封」
問5【満州国】5
aは正しい。「清朝最後の皇帝であった
溥儀を執政(1934年から皇帝)とする満州国を樹立した。」(教科書p.149)
bは,満州国が国際連盟に承認されていないので誤り。「国際連盟に調査を求めた。国際連盟は,
リットン調査団を派遣し日本軍の撤兵を求めたが,」(教科書p.149)したがって正解は(2)
問6【台湾の歴史】6
(1)誤文。
イギリスではなく
オランダが拠点を築いた。「鄭成功は,オランダが貿易
拠点をきずいていた台湾に攻め入り,その勢力を駆逐し,台湾を統治した」(教科書p.64)
(2)誤文。
三国干渉で返還させられたのは,台湾ではなく
遼東半島。「ロシア・フランス・ドイツ3国は日本の遼東半島領有に反対し,清に返還させたが(
三国干渉)」(教科書p.119)
(3)正文で正解。
「

のひきいる国民党は台湾にのがれ,中華民国を維持した。」(教科書p.164)
(4)誤文。
新興工業経済地域(NIES)は1980年代後半に使用された語で,1950年代には使われていない。
問7【清朝滅亡後の中国】7
(1)誤文。
李鴻章は清朝側の人物。「
李鴻章の北洋陸海軍は物量的にはまさりながら,中央集権化に成功した日本の軍事力の優勢のうちにすすんだ。」(教科書p.118)
(2)誤文。
コミンテルンはソ連の指導で結成された。「ソヴィエト政府は,…,…,1919年には
コミンテルンを結成して各国の革命勢力を指導した。」(教科書p.135)
(3)正文で正解。
「中国では抗日民族統一戦線が結成され,
重慶に移った

の国民党軍」(教科書p.150)
(4)誤文。
ヤルタ会談に中国は参加していない。「1945年2月,ローズヴェルト・チャーチル・スターリンの米英ソ首脳は
ヤルタ会談をひらいて,」(教科書p.157)
問8【第二次世界大戦後に起こった出来事】8
(1)誤文。
新インド統治法は,第二次世界大戦前の出来事。「1935年に
新インド統治法を制定して懐柔をはかったが成功せず,インド人の独立運動は続いた。」(教科書p.146)
(2)正文で正解。
「1956年にはスーダンがイギリスから,
チュニジア・モロッコがフランスから独立した。」(教科書p.166)
(3)誤文。
アキノ政権は
フィリピンに成立した。第二次世界大戦後,インドネシアに成立したのはスカルノの政権。教科書p.167でスカルノの写真説明に「
インドネシア独立運動指導者。独立後,初代大統領。」
(4)誤文。
八・一宣言は,第二次世界大戦前の出来事。「1934年に瑞金を放棄して西方へ脱出した。この途上で,
八・一宣言(1935年)を出し,内戦停止と一致抗日を全国によびかけた。」(教科書p.149)
問9【ヨーロッパの政治家】9
(1)誤文。
マッツィーニは初代イタリア国王ではない。初代イタリア国王はヴィットーリオ=エマヌエーレ2世。「
マッツィーニが青年イタリア(党)を結成して統一運動をすすめ,1849年ローマ共和国の成立を宣言」「1861年,ヴィットーリオ=エマヌエーレ2世を国王にイタリア王国が成立した。」(教科書p.94)
(2)正文で正解。
教科書p.161のチャーチルの写真解説に「「北は…にいたるまで,欧州大陸を縦断して
鉄のカーテンがおろされている」という演説」とある。
(3)誤文。
スターリンは農業の集団化を強行した人物。「
スターリンの指導のもとでソ連は五か年計画を実施し,…,…。しかし彼は,これと並行して農業集団化を強行し,」(教科書p.142)
(4)誤文。
東側のワルシャワ条約機構にフランスは加盟していない。フランスが脱退したのはNATO。「1955年にはNATOと西ドイツの再軍備に対抗して,東欧友好相互援助条約をむすんだ(
ワルシャワ条約機構)。」(教科書p.162)
「(2)フランスは,1964年に中華人民共和国を承認し,1966年にはNATO軍事機構を
脱退した。」(教科書p.163注(2))
問10【第二次世界大戦後のアメリカ合衆国】10
(1)誤文で正解。アメリカ合衆国がソ連を承認したのは第二次世界大戦前。「中南米諸国との関係を改善し(善隣外交),
1933年にはソ連を
承認した。」(教科書p.141)
(2)正文。
「1950年代なかごろを境に,冷戦は緊張
緩和のきざしをみせはじめた。1953年に社会主義勢力の拡大によるソ連の安全保障を追求してきたスターリンが死に,難航していた朝鮮戦争の休戦協定も成立した。」(教科書p.163)
(3)正文。
「
ジョンソン政権は1964年のトンキン湾事件を契機に,ヴェトナムに公然と介入し,1965年2月には北ヴェトナムへの
爆撃(
北爆)を開始し,」(教科書p.169)
(4)正文。
「アメリカの
トルーマン大統領は,1947年3月にトルーマン=ドクトリンを発表して,社会主義勢力との内戦が続くギリシアと,ソ連に圧迫されていたトルコに経済援助を与えた。こうしてソ連の勢力拡大を阻止する
「封じこめ政策」が発動された。」(教科書p.161)
問11【国家間の結びつき】11
(1)誤文。
米州機構はアメリカ主導の組織。「ラテンアメリカでは,アメリカ合衆国に主導された
米州機構(OAS)が,」(教科書p.187)
(2)誤文。
イギリスはEEC及びECの原加盟国にはいっていない。「西ヨーロッパでは1967年,経済協力をおもな目的として6か国によりヨーロッパ共同体がつくられ,以後,加盟国も増えて,北欧から南欧に及ぶ広大な経済協力圏がうまれた。」(教科書p.173)「ただし
イギリス・スウェーデン・デンマークはユーロ圏に参加していない。」(教科書p.176)
(3)正文で正解。
「ヴェトナム戦争中の1967年,インドネシア・フィリピン・シンガポール・タイ・マレーシアの5か国は,
東南アジア諸国連合(ASEAN)を結成」(教科書p.174)
(4)誤文。
キューバはキューバ革命以後アメリカと対立し続けてきた。「
キューバを含め26か国の加盟するラテンアメリカ経済機構は,アメリカ合衆国にしばられず,自立的経済発展をめざす努力を強めつつある。」
第2問
問1【飢饉や食糧徴集】 12
aは誤文。
移民がとだえたのではなくむしろ促進された。世界史の小窓 海を渡るアイルランド人「
アイルランドでは,1840年代後半,農民の主食であったジャガイモに病気が発生して大
飢饉がおこったため,
数十万人がアメリカに渡った。」(教科書p。100)
bは正文。
「これに対しソヴィエト政府は,穀物の強制徴発,企業の国有化などの
戦時共産主義体制をとってたたかい,」(教科書p.135)したがって正解は(3)
問2 【農民や農政】 13
(1)正文で正解。
「翌年,首相になった
ストルイピンは,農村に政府の支持者を増やそうと
農業改革を実施した。」(教科書p.131)
(2)誤文。
ヴェトナムではなく朝鮮。「1894年2月,朝鮮南部で東学を信ずる全棒準が指導する農民の大反乱がおこった(
甲午農民戦争)。」(教科書p.119)
(3)誤文。
清朝ではなく太平天国。「太平天国は
天朝田畝制により男女の別なく,土地・財貨の平等分配をめざしたが」(教科書p.115)
(4)誤文。
内容の時期が異なる。「1989年,政府は学生・市民らによる民主化要求の運動に対して流血の弾圧を加え(
天安門事件),」(教科書p.172)。「1950年代末から,農村の
人民公社化などをめざす大躍進政策が実施され,経済が混乱した。」(教科書p.165)
問3 【食料や産業技術】 14
(1)誤文。
宋代でなく明代。「明末の花機 複雑な文様を織る織機。宋応星のあらわした産業技術書『
天工開物』のさし絵」(教科書p.65)
(2)誤文。
清代ではなく中華人民共和国。「1950年代末から,農村の人民公社化などをめざす
大躍進政策が実施され,経済が混乱した。」(教科書p.165)
(3)誤文。
14世紀ではなく16世紀。「ジャガイモは,大航海時代の
16世紀に
トウモロコシやタバコ・サツマイモなどとともに新大陸からヨーロッパにもたらされた。」(教科書p.59)
(4)正文で正解。
「農村では,
18世紀に,穀物生産の増大を目的に第2次
囲い込みがすすんだ。」(教科書p.79)
問4 【戦争】 15
(1)誤文。
エチオピアに侵攻したのは,イタリア。「イタリアもまた,1935年,
エチオピアへの侵略をはじめたが,国際連盟は効果的な制裁処置がとれず,翌年春,イタリアはエチオピアを併合した。」(教科書p.143)
(2)誤文。
中国は義勇軍の形で国連軍と戦った。「アメリカ軍を中心とする国連軍を派遣した。以後戦況が逆転してアメリカ軍が中国国境付近にせまると,中国は
義勇兵を参戦させ,」(教科書p.165)
(3)正文で正解。
「大量の
枯葉剤(枯れ葉剤)をまいて森林を破壊した。」(教科書p.169)
(4)誤文。
ルワンダではなくアンゴラなど他地域。
問5 【飛行機が実用化された世紀に起こった事件】 16
設問文の飛行機が実用化されたのは,20世紀初頭。コラムの「空飛ぶ兵器,戦争と技術革新 1903年にライト兄弟が,エンジンつき
飛行機フライヤー1号の飛行に成功した。」(教科書p.133)
(1)誤文。
ベートーヴェンは20世紀の人物ではない。
(2)正文で正解。
肖像画の解説に「
アインシュタイン(1879~1955)…ナチスが政権についたためアメリカに亡命。」(教科書p.192)
(3)誤文。
ディーゼル=エンジンの発明は19世紀末の出来事。
(4)誤文。
チュノムは13~14世紀の成立。コラム「漢字―その受容と抵抗 ヴェトナムでは13~14世紀の陳朝時代に
字喃(「南の文字」の意)が成立した。」(教科書p.14)
問6 【アフリカ】 17
(1)誤文。
イギリスと衝突したのはドイツでなくフランス。「東スーダンまでフランス軍がすすむと,イギリスの縦断政策と衝突する事態となった。この
ファショダ事件は,」(教科書p.112)
(2)誤文。
モロッコ事件はドイツが引き起こした事件。「皇帝ヴィルヘルム2世は2度にわたる
モロッコ事件をひきおこした。」(教科書p.113)
(3)正文で正解。
「ナセルは,民族主義政策を推進し,1956年,
スエズ運河国有化を宣言した。これに対して,イギリス・フランス・イスラエルがエジプトに侵攻してスエズ戦争(
第2次中東戦争)となったが」(教科書p.166)
(4)誤文。
教科書p.112の地図で,コンゴは英領になっていない。
問7 【アフリカの縦断交易路】 18
アがパルティアでないことは,教科書p.24の「ヘレニズムとイラン文化」の小見出しのなかに「前3世紀には
パルティア王国が成立し,」とあることで判明する。また,イは教科書p.44に「ムスリム商人はまた,セネガル川・ニジェール川上流域に産する金を求めて,北アフリカからサハラ砂漠をこえる隊商路を確立した。
金のほか奴隷・象牙なども北に運ばれた。隊商路を通じてイスラームが伝えられ,」とあり,金が正解であることがわかる。したがって(1)が正解となる。
問8 【チェルノブイリのある国について】 19
アは教科書p.193の写真解説に「
チェルノブイリ原発事故 1986年
ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で原発事故が発生,周囲数百kmにわたる広範囲が放射能に汚染された。」とあり,チェルノブイリのある国がウクライナとわかる。ウクライナは教科書p.170の地図からソ連から独立したことがわかる。イもまた教科書p.171の「1991年8月,ソ連共産党が解体を余儀なくされた。9月にはバルト3国が独立し,12月に11か国からなる
独立国家共同体(CIS)が成立し,ソ連邦は解体した。」と,教科書p.170の地図から独立国家共同体(CIS)の構成国であると判断できる。したがって(4)が正解となる。
問9 【原子力発電や核実験】 20
(1)誤文。
原子力発電は20世紀に実用化された。「
原子力発電は,原子力の平和利用の好例で,1950年代後半から世界的に普及したが,
スリーマイル島(1979年,アメリカ)での燃料棒溶融事故やチェルノブイリ(1986年,ソ連)での大爆発事故など,問題も少なくないことを示したのである。」(教科書p.193)
(2)正文で正解。
上記。
(3)後にこれも正解となる。教科書p.159の流れ図に「
部分的核実験停止条約(1963)」とある。
(4)誤文。
中国の核実験の成功は1960年代。
問10 【石油をめぐる出来事】 21
(1)誤文。
エジプトではなくイラン。
(2)誤文。
産油国が欧米のメジャーと対抗するために石油輸出国機構(OPEC)をつくった。
(3)誤文。
1973年の第1次石油危機(オイルショック)はパレスティナ暫定自治協定(1993)より前の出来事。「1993年9月には「
暫定自治に関する原則宣言」に調印した。これは,ヨルダン川西岸とガザ地区に住むパレスティナ人の自治をイスラエル側がとりあえず承認するというものであり,1994年7月,実施された。」(教科書p.201)
(4)正文で正解。
問11 【環境や保健対策などに関する国際的な活動】 22
(1)誤文。
国際赤十字社は第一次世界大戦以前にできていた。「敵味方の区別なく傷病兵を看護するための
国際赤十字社(1864年)をはじめ,」(教科書p.97)
(2)正文で正解。
教科書p.160の「国際連合の組織」に「
世界保健機関 WHO」が書かれている。
(3)誤文。
1992年の地球サミットは日本ではなくブラジルで開催された。
(4)誤文。
ユネスコは国連教育科学文化機関であり,国際原子力機関は別にある。教科書p.160の「国際連合の組織」に「国連教育科学文化機関 UNESCO」があり,「国際原子力機関 IAEA」も別に書かれている。
第3問
問1 【近代以前の交通や交易】 23
(1)正文。
「このような交易には
ムスリム商人とともに,インドや東南アジアの商人も活躍した。」(教科書p.37)
(2)正文。
「ヴェネツィア・ジェノヴァ・ピサなど北イタリア諸都市の商人は,軍隊・武器・食料などの輸送をひきうけ,東
地中海に進出していった。」(教科書p.45)
(3)正文。
教科書p.43に写真解説として「公用旅行の牌符 駅伝(
ジャムチ)の証明用。」,本文に「モンゴル帝国は当初から内陸の交通路の確保につとめ,
駅伝の制を整備した。」の記述がある。
(4)誤文で正解。モンゴル帝国は海上交易にも目を配るようになっていて,海上交易が衰退したというのは誤り。「フビライは
海上交易にも力をそそいだ。海と陸との交通路によって人と物資と文化がさかんに交流した。」(教科書p.43)
問2 【盧溝橋事件】 24
事件の位置を特定する問題。教科書p.150に「1937年の
盧溝橋事件」とある。年代を覚えていればクリアできるが,正確な年代を知らなくても推理できる。この事件は日中戦争のきっかけとなったのであるから,真珠湾攻撃より前,第2次国共合作につながる西安事件より後の出来事,つまり(4)の正解を導ける。
問3 【隋王朝】 25
(1)誤文。
宋王朝の内容。教科書p.14の地図で
開封が宋の都であることがわかる。
(2)正文で正解。
「隋は朝鮮半島の
高句麗に出兵するなど,対外的にも積極策をとったが,」(教科書p.12)
(3)誤文。
朱元璋が建てたのは明王朝。「
朱元璋(太祖,洪武帝)は,元朝の勢力を北方に追いやり,1368年応天府(現在の南京)を都とする明朝をたて,」(教科書p.48)
(4)誤文。
武帝は漢(前漢)の皇帝。「漢の
武帝は匈奴を攻撃して北辺を固めたほか,」(教科書p.11)
問4 【歴史上の通貨や度量衡】 26
a誤文。
メートル法はフランス革命の際に制定された。「革命は日常生活のすみずみにまで及んで革命暦や
メートル法が制定された。」(教科書p.85)
b正文。
「
マクドナルドは,保守党や自由党の一部と
挙国一致内閣(1931~35年)を組織し,金本位制の停止,国費の節約,保護関税などを実施した。」(教科書p.142)したがって(3)が正解となる。
問5 【コミュニケーションの機器】 27
a正文。
「1895年にはイタリアの
マルコーニが
無線電信機を発明した。」(教科書p.126)
b誤文。
アメリカ合衆国でラジオ放送が開始されたのは20世紀前半。「
1920年にアメリカで
ラジオの放送がはじまり,世界中にひろがっていった。」(教科書p.127)したがって(2)が正解となる。
問6 【第一次世界大戦】 28
(1)正文で正解。
教科書p.132地図とその解説「第一次世界大戦時のヨーロッパ ドイツ・オーストリア・トルコ・
ブルガリアの4カ国の同盟国側」とで判断できる。
(2)誤文。
ドイツの無制限潜水艦作戦を理由にアメリカ合衆国が参戦した。「大戦中アメリカは…,…,…,ドイツの
無制限潜水艦作戦の開始を理由に,1917年4月に参戦し,」(教科書p.133)
(3)誤文。
日本が占領したのはドイツの権益があった場所。フランス領インドシナを占領したのは第二次世界大戦。「第一次世界大戦がおこると,日本は,ドイツが中国から租借していた青島を
占領し,」(教科書p.147)
(4)誤文。
ブレスト=ロトフスク講和条約はイギリスではなくドイツとの間で結ばれた。「革命によってロシアにソヴィエト政権がうまれ,そのよびかけに応じて,ドイツは翌年3月,講和をむすび(
ブレスト=リトフスク条約),」(教科書p.133)
問7 【トルコの文字革命】 29
教科書p.144の写真解説に「文字改革を指導する
ケマル=パシャ 彼はトルコ語の表記を
アラビア文字から
ローマ字に改めるなど,近代化政策をすすめ,
アタチュルク(トルコの父)の称号を議会から与えられた。」とあり,(4)が正解となる。
問8 【民族問題やナショナリズム】 30
(1)正文で正解。
教科書p.90の地図解説に「フランス領
ハイチは,1804年に独立し,最初の黒人共和国になった。」
(2)誤文。
マレーシアではなくフィリピン。「
フィリピンでも
ホセ=リサールやアギナルドがスペインからの独立を求める戦いをおこした。」(教科書p.111)
(3)誤文。
義兵闘争は韓国併合前の出来事。「朝鮮では,
義兵闘争とよばれるはげしい反日武装闘争が展開された。しかし日本は,1910年に
韓国併合を強行し,朝鮮を完全な植民地とした。」(教科書p.131)
(4)誤文。
インドネシアではなくインド。「議長ネルーのもとに
プールナ=スワラージ(完全独立)が決議され,」(教科書p.146)
問9 【人や物の移動】 31
(1)誤文。
一般にジャンク船はインド洋東側より以東で用いられた。「10世紀の南シナ海では,ダウ船にかわり難破しにくい中国の
ジャンク船が使われるようになった。」(教科書p.37)
(2)正文で正解。
「
ダウ船を使って,東アフリカ・アラビア海沿岸から東南アジア,そして中国にまで交易の手をのばす者もいた。」(教科書p.37)
(3)誤文。
勘合貿易は宋ではなく明との間である。「日本(室町幕府)も
明朝へ朝貢し,貿易をおこなった(
勘合貿易)。」(教科書p.48)
(4)誤文。
トマトではなく胡椒などの香辛料。トマトはアメリカ大陸原産。「
香辛料・絹織物・綿織物・染料・宝石などと交換した。香辛料のなかでも,肉の貯蔵・調理にすぐれた効果をもつとされた胡椒はとくに珍重され,莫大な利益をもたらした。」(教科書p.45)。また教科書p.59写真解説に「胡椒 香辛料の代表。南インドが
原産地で…」とある。
問10 【世界初の人口衛星を打ち上げた国】 32
人類初の人工衛星はソ連スプートニク1号で1957年に打ち上げられた。そのことはアメリカ合衆国に大きな衝撃を与えた。正解は(4)となる。
問11 【国際関係】 33
(1)誤文。
ポツダム会談ではなく,ミュンヘン会談。「ドイツはさらに
ズデーテン地方も要求した。チェンバレン英政権は,これ以上領土を要求しないというヒトラーのことばを信じ,同年秋の
ミュンヘン会談で仏伊とともにこの要求を認めた。」(教科書p.152)米英ソはベルリン郊外の
ポツダムで戦後ドイツの国境確定や対日無条件降伏勧告などで合意しポツダム宣言を発した。」(教科書p.157)
(2)誤文。
フランスとオスマン帝国ではなく,フランスとイギリス・ロシアとの間で結ばれた。教科書p145の「パレスティナをめぐる条約」に「
サイクス=ピコ協定(1916) ○
英・仏・
露によるオスマン帝国領の分割を決定」とある。
(3)誤文。
フランスではなくオーストリア。「統一の達成には
オーストリア勢力の排除が不可欠である…」「トリエステや南チロルなどは含まれず,同王国はこれらの地方を
「未回収のイタリア」とよんで,その後も併合要求を続けた。」(教科書p.94)
(4)正文で正解。
教科書p.130の図版「三国同盟と三国協商」のなかに「
1907 英露協商」とあるので日露戦争後のことになる。