2006年度 センター試験【世界史B】分析
(1)全体の特徴
本年度の難易は昨年度に比して平易であり、正誤がはっきりしている選択肢が多かったので解答しやすかったといえる。それとA・B共通問題は前近代史が主体となるなど、全体的に前近代史からの出題比率が高い。戦後史や文化史の設問が大幅に減少した分、地域間交流をテーマとした社会経済史関係の出題率が高く、内陸アジア・東南アジアなどを含め、幅広い地域を網羅した出題が目立った。
教科書レベルの内容を前提に、時代を縦断的・地域横断的に歴史を理解することに出題の重点が置かれ、世紀の違いなどを判断させる時代縦断的な問題や地理的知識を問う問題が例年以上に多かった。なお、大問構成、解答数、設問の出題形式などに目立った変化はなかった。
(2)各大問ごとの分析
第1問
「接触と交流」をテーマに、Aはインド洋、Bは内陸アジア、Cはヨーロッパとイスラーム世界を中心に出題された。地図や図版が比較的多用され、前近代史に重点を置いた構成であった。年代整序など年代・時期の判断を要求される問題が見られたが、基本事項を理解し、時代の特徴を把握できていれば解答可能であったと思われる。
第2問
Aでは中世ヨーロッパ、Bでは明代の中国とその周辺地域、Cでは17世紀のヨーロッパを中心に出題され、標準的な政治史の問題であった。時代を問う問題や地理的知識を必要とする問題が出題された。
第3問
都市を中心とする社会経済史をテーマにした問題で、Aではギリシアを中心とした地中海世界、Bでは中国を中心とした国際交流、Cでは近代以降の世界市場の形成に焦点をあてて出題された。6択問題が3問,近年見られなかった時代順配列問題が出題された。
第4問
飲み物や食べ物についての社会経済史的テーマ。「世界史の扉」で扱われる「生活に身近なモノ」という課程のねらいが反映された大問で、Aでは喫茶の風習、Bではジャガイモ、Cではコーヒーを主題とした。イギリスでの紅茶の普及や新大陸産の作物としてトウモロコシ・トマトを選ぶ出題であり、ヨーロッパとアメリカ、およびその周辺地域との関係を扱った大問であった。
■問題正解
問題
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
【9】
【10】
正解
3
6
3
2
4
4
6
3
2
2
配点
3
3
2
3
3
3
3
3
2
3
問題
【11】
【12】
【13】
【14】
【15】
【16】
【17】
【18】
【19】
【20】
正解
2
3
2
3
4
3
2
1
2
2
配点
3
3
2
3
3
3
3
2
3
3
問題
【21】
【22】
【23】
【24】
【25】
【26】
【27】
【28】
【29】
【30】
正解
4
2
3
4
1
3
3
3
4
3
配点
2
3
3
3
3
2
3
3
3
2
問題
【31】
【32】
【33】
【34】
【35】
【36】
 
正解
2
5
3
3
2
4
配点
3
3
3
2
3
3