岐阜聖徳学園高等学校
商業科
実教出版 株式会社
授業支援デジタルコンテンツ
※本事例は、弊社コンテンツの参考活用例です。学校・弊社への、個別の内容に関するお問い合わせはご遠慮ください。
ICT導入のきっかけや当時の課題を教えて下さい
商業科 我藤 信夫 先生
事務職員 野村 伸哉 氏 / 武田 真仁 氏
数年前から直面している高校生人口の減少・入学希望者の減少などの課題は、ICTの導入などによる『教育の充実、学校価値の向上によって解決できるのではないか』という解決策を導き出した事務職員の野村伸哉氏・武田真仁氏らが主導しました。
事務職員らが『授業で活用できるICTシステム』と『導入するための予算』を先行して検討し、他校への研修や勉強会を通じ見識を深めた教員で組織されたICT委員会とともに、経営陣とも密に連携をとり、2019年度4月に現在のICTシステム導入を実現したというのが導入の経緯です。
事務職員らは現在でも『次期ICTシステムの研究』や『ICTシステムのメンテナンス』などを通じ、常に当校の授業改善を支えてくれています。その恵まれた環境のもとで当校の授業は成立しています。
このように当校は、教師と生徒がつくる授業から、教師と生徒だけでなく事務職員そして教科書会社やIT企業を含む外部企業などとのチームによる協働によってつくる授業へと急速に変化しつつあることを実感しています。
iPad
ロイロノート
プロジェクタ
iPad
ロイロノート
授業展開スライド
白黒反転スライド
(授業展開スライドの白黒反転版)
スライド対応プリント
動画での動機づけは、生徒の興味関心を引きつけられます。今までの授業と比較して、生徒の姿勢に変化が生まれました。生徒になじみのある映像もあり、学習内容をイメージしやすい様子です。
動機づけだけでなく、検定試験模擬問題や過去問題演習時のショートディスカッションでも、「あの時のあの映像では・・・」とか「あの時・・・というふうにいっていた」という話をよく聞くので、生徒の印象にも残っているようです。
我々ユーザーの立場に立って、実によく考えてくれているスライドなので、教員が自分で作りこむ必要がほとんどありません。PowerPointを作りこむ時間のない先生やPowerPointを苦手にしている先生も使いやすいと思います。これにより生徒と向き合う時間が増加するなどの面で働き方改革にもなります。
赤シート×iPad×解答入りデータ
スライド対応プリントは、教科書はもちろん、授業支援デジタルコンテンツ・授業展開スライド・問題集・模擬問題集とリンクしているので非常に教えやすいです。
スライド対応プリントは導入部分の「書かせる問題」と「空欄補充」のバランスがよく、導入での興味づけと、これまでよりもはるかに授業スピードが上がるという2点が両立でき、非常に完成度が高いです。また、ノートチェックも実施しやすく、成績評価時の資料としても重宝します。生徒はスライド対応プリントをアナログノートとしてファイリングし学習に使用しています。
スライド対応プリント記入後、確認のために生徒のiPad-ロイロノートにはスライド対応プリントの『解答入りデータ』を配信しています。スライド対応プリントの『解答入りデータ』は空欄に赤字で入っているので、“iPad 上に赤い透明シート”を置き、定期考査などの勉強時に役立てている生徒もいます。
さらにこれらはiPad で作成するデジタルノートの核ともなります。デジタルノートは Web検索やiPad のカメラで撮影したものなどを資料として添付する際に、アナログノートよりも容易に編集できます。その特性を生かし、自分でデジタルノートを工夫して作成する過程で自分なりに意味をつけ、納得できるストーリーを創り出すことにより、学習内容をより容易かつ確実に記憶することが可能となっています。
アナログ・デジタル両方のノートがあると、書いて記憶するのが得意な生徒も、見て記憶するのが得意な生徒も自分の認知特性に合わせた学習が可能ですし、記憶の出力回数が増加します。
今回、実教出版から許可を得て、スライド対応プリントや模擬試験問題集の PDF データを生徒 用タブレットに配信しました。それに際し、データの扱いについて情報モラル・著作権教育などの教育・指導を行っております。
導入部分は映像教材、講義は授業展開スライドや教科書を活用し、生徒にはスライド対応プリントをプリントアウトしたものを配布・ ワーク させます。完成したプリントにはスタンプを押し、授業の最後にスライド対応プリントの『解答入りデータ』をロイロノートで配信します。スライド対応プリント『解答入りデータ』がデジタルノートの核になります。
検定試験の模擬問題や過去問PDFデータをあらかじめロイロノートで配信し、生徒用解答用紙はプリントアウトしたものを配布します。個人で問題演習をした後、3名1組でショートディスカッションを実施し、他の人の答えの導き方と自分の答えの導き方を比較検討します。
演習で誤った問題・正解でも迷った問題・自信の無かった問題・選択肢で正確に理解していなかった言葉などを、デジタルノートや教科書で調べたり Webで検索したりし、デジタルノートやアナログノート、検定試験の模擬問題・過去問題 PDFデータなどにメモして編集します。自分なりに意味づけることを通して記憶し、さらに自分にあったビジネス基礎の学習方法を構築します。
これまで作成したデジタルノートや検定試験の模擬問題・過去問題PDFデータなどから既に身に付いている箇所を削除し、誤った問題・正解でも迷った問題・自信の無かった問題・選択肢で正確に理解していなかった言葉などが含まれている問題だけを残して自分だけの検定試験対策ノートを作成します。この作業を繰り返し、最終的には短時間で見直し可能な、自分だけの検定試験直前見直しノートとなります。
上記のような方法でのビジネス基礎の学習を通じ、自分なりにいくつかの学習方法を編み出すことで、自力で学習できるようになります。すると自信がつき、内発的動機が高まり、学習意欲が喚起されます。また、たとえ未知の状況であったとしても、学習した考え方を当てはめることにより対応できるようになります。