介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士の登録機関である財団法人社会福祉振興・試験センターが厚生労働省からの補助金を受けて実施した「介護福祉士等現況把握調査」があります。
この調査は、介護福祉士、社会福祉士及び精神保健福祉士の国家資格を取得しながら、何らかの理由で福祉・介護分野で就労していない者が多数存在し、その就労状況または不就労の実態を把握できていないことから、有資格者に対し、就業状況及び就業意識等の調査を実施し、結果を分析することにより適切に就労に結びつけていくことを目的として行われました。
福祉・介護分野で就労している介護福祉士の状況について、おもな結果は次のとおりです。
○資格を取得した動機
「専門職としての知識・技術を得るため」(76.6%)という理由の割合が最も高く、次いで「就職・転職に有利なため」(19.7%)、「職場から資格取得を求められたため」(16.0%)という理由の割合が高い。
○福祉・介護分野で働こうと決めた理由
「働きがいのある仕事だと思ったから」(39.4%)の割合が最も高く、次いで「自分の能力・個性・資格を活かせると思ったから」(32.6%)、「通勤が便利だから」(30.6%)の割合が高い。
○仕事を行う上での不満や悩み
「給与・諸手当が低い」(59.7%)という回答の割合が最も高く、次いで「業務の負担や責任が重すぎる」(30.5%)、「社会的な評価が低い」(27.0%)という回答の割合が高い。
○福祉・介護分野での就労継続の意向
49.5%が「現在の職場、現在と同じ職種で働きたい」と回答した。「福祉・介護分野から離れたい」と回答した者は13.6%であった。
詳しい結果については、厚生労働省のWebページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/haaku_chosa/index.html
(「介護福祉士等現況把握調査」の結果について)
2008年に「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正され、介護福祉士の資格取得方法が変更になりました。
○2011(平成23)年度の試験からの主な変更点
(1) 福祉系高等学校(専攻科:33単位)卒業後、実務経験9ヶ月以上介護等の業務に従事した方が受験資格になります。
(2) 福祉系高等学校の52単位を修めて卒業した方が受験資格になります。
○2012(平成24)年度の試験からの主な変更点
(1)実務経験ルートは、実務経験3年以上かつ養成施設6ヶ月以上の課程を修了した方が受験資格になります。
(2) 福祉系高等学校(高校:34単位)卒業後、実務経験9ヶ月以上介護等の業務に従事した方が受験資格になります。
(3) 養成施設において必要な知識及び技能を修得した方も、国家試験の受験が必要になります。
詳細については、財団法人社会福祉振興・試験センターのWebページをご覧ください。
http://www.sssc.or.jp/shiken/index.html
厳しい雇用失業情勢をふまえ、非正規労働者に対するセーフティネット機能と失業者に対する再就職支援機能の強化を重点に、平成21年3月31日から雇用保険制度の一部が改正されました。
おもな改正事項は次のとおりです。
(1)雇用保険の適用範囲の拡大
(2)雇止めとなった非正規労働者の受給資格要件の緩和
(3)再就職が困難な方に対する給付日数の延長
(4)再就職手当の受給要件の緩和と給付率の引き上げ
(5)常用就職支度手当の支給対象者の拡大と給付率の引き上げ
(6)育児休業給付の統合と給付率引き上げ措置の延長(平成22年4月1日から)
(7)雇用保険料率の引き下げ
上記(6)の育児休業給付については、平成22年4月1日から、これまで休業中と復帰後に分けて支給されていた給付を統合し、休業期間中に全額が支給されるようになります。また、平成22年3月末に期限が切れる給付率引き上げの暫定措置(40%から50%に引き上げ)が、当分の間延長されることになります。
上記の(7)については、失業給付等に係わる雇用保険料率が、平成21年度に限り0.8%に引き下げられました(20年度は1.2%)。
詳しい改正内容については、厚生労働省のWebページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/index.html
(平成21年雇用保険制度改正関連資料)
平成20年12月3日に児童福祉法の一部および次世代育成支援対策推進法の一部が改正され、(1)新たな子育て支援サービスの創設、(2)虐待を受けた子ども等に対する家庭的環境における養護の充実、(3)仕事と家庭の両立支援のための一般事業主行動計画策定の推進など、地域や職場における次世代育成支援対策を推進するための事業や仕組みが定められました。
具体的には、例えば家庭的保育事業が法定化され、保育ママの資格要件が緩和されました。また、養子縁組を前提としない里親の制度化や、虐待を受けた子ども等を養育者の住居において養育する事業(ファミリーホーム)が創設されました。仕事と家庭の両立の支援を促進するための方策としては、雇用環境の整備等について事業主が策定する行動計画の策定・届出が義務づけられる対象企業が、従業員301人以上から101人以上に拡大されました。
その他の改正点や施行期日など、詳細は厚生労働省のWebページをご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/169ab.pdf
今まで、75歳以上の人(一定の障害を有する人は65歳以上)は、国民健康保険等の医療保険に加入しながら老人保健制度で医療を受けていましたが、2008年4月からは、新しく創設された後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に加入して医療を受けることになりました。
また、65歳から74歳の高齢者については、健康保険組合・国民健康保険等の医療保険に加入しますが、退職者が国民健康保険に集中し、保険者間で医療費の負担に不均衡が生じていることから、各保険者の加入者数に応じて財政調整する制度が創設されました。
さらに、現行の退職者医療制度が廃止されました。ただし、2014年度までの間における65歳未満の退職者を対象として、現行の退職者医療制度を存続させる経過措置が講じられています。
後期高齢者医療制度(長寿医療制度)のおもなポイントは以下のとおりです。
(1)都道府県単位の広域連合が運営することになりました。
(2)高齢者の負担と現役世代の負担の割合を明確にしました。
(3)高齢者一人ひとりが共通のルールにより、保険料を支払うことになりました。
なお、後期高齢者医療制度の導入などにあたり、2006年に「老人保健法」が改正され、2008年4月から「高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)」という名称になっています。
具体的な内容や解説については、厚生労働省のWebページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d.html
(厚生労働省:"長寿医療制度"が始まりました)
心肺蘇生法は2006年のガイドライン変更により、一部やり方が変わりました。具体的には、胸部圧迫と人工呼吸のサイクルや、成人と小児の方法が基本的にはほぼ同じになるなどの変更点があります。
また、これまで「AED(自動体外式除細動器)」(心臓がけいれんを起こした場合に電気ショックを与えて心臓の状態を正常に戻す機器です)は、医療従事者にしか使用できませんでしたが、2004年に一般市民でも使用できるようになりました。これによって、公共施設・駅・大規模施設など、いろいろな場所に設置されるようになっています。心肺蘇生法もAEDを使用した場合が想定されています。
改正心肺蘇生法とAEDの使用方法については、以下のウエブページをご参照ください。
心肺蘇生法の具体的な方法については、総務省消防庁のウエブページをご参照ください。
http://www.fdma.go.jp/html/life/index.html
AEDについての説明は、財団法人日本心臓財団のウエブページをご参照ください。
http://www.jhf.or.jp/aed/
AEDの設置場所については、財団法人日本救急医療財団のウエブページをご参照ください。
http://www.qqzaidan.jp/sinpai/index.htm
障害者自立支援法は2005年に制定され、翌年の2006年4月から一部が施行されました。2006年10月には本格的に実施されています。
これまでの障害保健福祉施策の課題や問題点を解消しつつ、障害者の自立を支援するために、より一層のサービスの充実をめざしています。
おもなポイントは、次の5点です。
1.障害の種別(身体障害・知的障害・精神障害)にかかわらず、必要なサービスを利用できるようしくみを見直しました。
2.障害のある人々に、身近な市町村がサービスを提供します。
3.サービスを受ける人がサービスの量や所得に応じた負担を負うとともに、国と地方自治体も費用負担をします。
4.就労支援を強化します。
5.支給決定のしくみを透明化、明確化します。
より具体的な内容や解説については、以下のウエブをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushienhou13/pdf/01.pdf#search
(障害者自立支援法の円滑な施行に向けて)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0214-1.html
(障害者自立支援法の新旧対照文など)
これまでは「ハートビル法」や「交通バリアフリー法」で、高齢者や障害者が公共の施設や多くの人が集まる場所、あるいは交通機関を利用する際に、安全に支障なく利用できるような措置を求めていました。これらの法律によって、駅でのエレベータ設置、車いすでの移動に支障がないような段差のない出入り口の設置など、いろいろな施設のバリアフリー化が進んでいました。
今後は、それぞれの施設の利便性だけでなく、移動など連続した活動が円滑にできるよう、これらの法律を統合して2006年12月に「バリアフリー新法」(高齢者、障害者 等の移動等の円滑化の促進に関する法律)が施行されました。
おもなポイントは、以下のようです。
1.高齢者や障害者だけでなく、妊婦・けが人なども含め移動や施設利用の利便性や安全性の向上をめざしています。
2.公共交通機関(駅・バスターミナル、鉄道・バスなどの車両)や、新たに建設される道路・駐車場・大規模な公園などに、バリアフリー化基準への適合が義務づけられました。
3.バリアフリー化を進めるために、市町村が基本構想を作成することができるようになりました。
より具体的な内容や解説については、以下のウエブをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/barrierfree/transport-bf/explanation/kaisetu/kaisetu_.html
(国土交通省・警察庁・総務省作成「バリアフリー新法の解説」)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/index.html
(国土交通省のバリアフリー・ユニバーサルデザイン施策)